学校長 寺下 俊雄
葛城山麓の紀ノ川の清水と燦々と降り注ぐ陽光と温暖な黒潮の恵みをうける、そして今も「紀伊」の名をとどめる「医聖華岡青洲」縁のこの地に和歌山県初の理学療法士養成校が開学しました。
現在我が国では急ピッチで少子高齢化が進み、特に和歌山では多くの優秀な若者が県外に流出し紀南の所々では限界集落が生まれようとしており、普段の生活にも深刻な影響が出はじめています。
「地産地消」の考えは、少し語弊を覚悟していえば、食物などの「自給自足」に限らず教育問題、介護福祉政策にも適用出来ます。地方に育った優秀な人材が、その地方の専門的分野で活躍できる場を創出することが地域再生への第一歩と考えています。勿論、夢と志が有れば県、国の内外、個人の履歴を問いません。じっくりと学問と向き合い人生の再設計を期している人を歓迎します。
紀伊は県北部に位置し、既に福祉地区として機能していますが、明るく、長閑で静かな土地柄は、文教地区としても打ってつけの環境です。大阪にも程近く関西国際空港から一番近い市ですから、アカデミックな人的交流や情報収集にも事欠きません。ちいさな学舎には世界最高レベルの設備と南方熊楠などの先人のDNAを受け継ぐ和歌山学派とも称すべき講師陣を揃え、希望に燃える学生の期待に充分応えられる体制を整えています。
少子高齢化にあって医師、看護師同様理学療法士もまだまだ不足しています。国家試験に合格し、医療に限らずスポーツ、行政など多様多種な現場で患者さんや住民の皆さんに求められ、大事にされる理学療法士を育てます。人口は少なくても老若男女が安心して楽しく過ごせる町作りに指導者として遺憾なく実力を発揮できるよう教育していきます。働きがいのある職場、生き甲斐のある人生を掴んでください。教職員一同心を込めて夢が叶うまでお手伝いします。 |